時計の修理

先日、修理の為に時計屋に行った。

ひとつは祖母の形見の時計、もうひとつは父が若い頃に買ったオメガの時計を頼んであった。


日本ではある時期まで、オメガは海外の三倍の値段がしていたわけだが(別にオメガに限った話ではないが)、その後父は海外出張時にも幾つか買ってきている。その祖母の為にもひとつ買ってきたはずだが、うちには今はない。



引っ越す時に時計が引出しの奥からでてきて、父が「もういい」ということだったので、私が修理に出して使うようになった。男物としては比較的華奢な時計で、私がしていてもあまり違和感がない。


今回また龍頭がとれて持っていくことになったのだが、時計屋の主人によると今はもう珍しい時計で、使ってくれるのは嬉しいということだった。
あなたは古い時計が好きなのかと尋ねられたので、私は今の時計の質感があまり好きではないのだと答えると、「この時計なら形に惚れて欲しいのだが」と言われた。この種の時計はもう修理に使う部品がないので、いらなくなれば引き取るから持ってきてくれとも言われた。



祖母の時計の方はさほどいいものではなく、母がするといかにも安っぽく見えてしまう。それでも私はその時計が好きで、最初に修理してからはよく身につけている。



祖母は私が生まれる前に亡くなっているが、祖母が生前選んだものを見ていると、奇妙な所で同じ血を感じることがある。

色柄の好みがモダンで、気張った物を選ばない。TPOはあまり頭になく自分の趣味を優先する。



で、もちろん。
そんな選び方をしていると、そのうちに痛い目に合うわけだが。