紅茶福袋、例年のラインナップ


そういえばしばらく前に、ずっと前書いた紅茶記事が結構読まれていて、そこで触れていた福袋について簡単に書いておこうかなと。


前提として、この記事では、普通出回っているブレンドされた茶葉ではなく、一定の時期に摘み取られ、固有の茶園の名を冠して出荷される茶葉に限って扱います。

意外に知られていませんが、ダージリン、アッサム、ウバなどは、紅茶の種類、銘柄ではなく産地の名前。普通、店で産地の名を冠して売っている商品(例えばスーパーやデパートで缶で売られているもの)は、基本的にはその産地の茶葉をいくつかブレンドしたものと考えて良いと思います。

"English Breakfast" などメジャーなミルクティー向けブレンドは、ケニア等アフリカの茶葉がメインだったりします。残念ながらダージリンに関しては、出回っている物は大抵ダージリンが、「一部入っている」のが実情です。


今年はダージリンセカンドフラッシュ(二番摘み、夏摘み。基本的に最高の時期とされる)の出来があまりよくなくて、そういう不作のシーズンは、シビアにセレクトするお店以外はあまりお勧めできません。


もちろんマリアージュ・フレールなど有名ブランドの福袋もありますが、基本的に入っている茶葉がブレンドであることと(マルコポーロなんかですね)、ジャムなども入るのでここでは対象にしません。
わたしの嗜好がほぼダージリン季節もの一辺倒なので、ここでは茶園物(ダージリン以外も)中心の福袋のみを。知ってる人には基本の情報ですが、マニア以外の「紅茶に興味はあるけれど」的な人を想定しての記事とします。


まずラインナップをざっとあげると、ダージリン専門店のリーフル、有名どころルピシア、総合的に強いGclef、シルバーポット。それから京都のセレクトショップ、名古屋のリンアン。
セイロン紅茶のミツティー、『スリランカ紅茶専門店「紅茶屋さん」』くらいでしょうか。
あまり自分内情報を更新していないので、他にも新しいとこが出してるかもしれませんが。


まずルピシアはハードルは低いけれど、ダージリンについてはシーズンシーズンに一つ二つ最高のものをいれて(これは早々に売り切れるので、福袋には入らない)、後はそれなりという感じなので、個人的にはそんなにお勧めしません。
(薄くて味がわからないので有名な)無料試飲会をシーズン毎にやっているので、興味のある方は会員登録してお知らせが来るのを待つのもいいかと。

で、結論を書いてしまうなら、リーフル、シルバーポット、gclefあたりがいいかと思います。
シルバーポットはダージリン、アッサム、セイロンなど含めた総合的なセレクトの二種の福袋で、強制的にフレーバーまで入ってしまうので、苦手な人にはあまりお勧め出来ませんが(フレーバー抜きでも値段的にはかなりお得。茶園物については、ここは例年外れありません)。

<追記>
京都ラ・メランジェさんと『喫茶去 一芯二葉』さん。
ラ・メランジェは評判はいいのですが、サイトのお茶について表記がはっきりしないものが多く、どうもよくわかりません。中国紅茶などもあり、他と少し違うラインナップのお店です。
5,000円、7,000円、10,000円。他ハーブティー中国茶(既に売り切れ)などの福袋も。


一芯二葉さんは東京にある比較的新しいお店ですが、福袋は紅茶、日本茶台湾茶中国茶がいろいろ入って3,150円、5,250円、10,500円。フレーバーはたぶん無し。
日本茶もかなり凝ったセレクトのはずなので、慣れてない人は(慣れている人もですが)案外この辺が一番楽しめるかもしれません。ここは確かGclefの流れのお店なので、セレクションもたぶんガチ。

ダージリンのみの福袋というと、リーフル、Gclef です。
リーフルは泣く子も黙るダージリンのご本尊ですが、扱う品数が多い分、茶葉毎の違いが際立っている感じではないので、初心者にはGclefの方が勧めやすいかなと思います。リーフルはクオリティは高いですが。
ちなみにリーフルは、10,000円と7,000円の福袋がダージリンとネパール(ダージリンと同等と考えてよし)のみ、5,000円の物にはダージリンに加えてアッサムが一種入ります。3,000円の袋にはアロマ(フレーバー)ティー数種も入りますので注意してください。
またリーフルにはティーバッグ福袋もあります。
例年、高額の福袋にスペシャリテティー(特に手を掛けて作られたロット)が入っていましたが、今年は特に表記がなく不明です。


リーフルは伊勢丹新宿店にもナヴァラサという名前で出店していますが、そこでも限定で福袋がでるようです。(今年年頭にネタバレされてる方のブログ。他の福袋についてもググると出てきます)
リーフルは銀座店も伊勢丹新宿店も試飲できるので、興味のある人は新宿でふらっと寄ってもよいかもしれません。伊勢丹はちょっとせわしないですが、飲むだけ飲んで帰っても文句を言われるわけではないので。
初めての人はどれを選べばいいかわからずに泣きそうになると思いますが、お店の人に一番売れてるもの、お勧めのもの(アロマティ−以外で)を聞けばOKです。


Gclefの福袋は、ダージリンのみの物が10,500円。ダージリン、アッサム、セイロンなど全般の茶葉が入った福袋が5,250円と10,500円。ティーバッグ福袋が5,250円の四種です。
既に売り切れたようですが中国・台湾茶福袋もあります。
ここはティーバッグにもガチの茶葉を入れてくるので、ティーバッグ買うならお勧め(但し当然ながら茶葉のみより割高)。
今年はあまり情報入れてないですが、友人から聞くところでは今年のセカンドフラッシュはここが一番良かったとの事。
一番試飲の環境がいいお店ですが、客的には試飲して買わずに帰るのに少し気を使うかもしれません(だからと言って文句を言われる訳ではないし、店員さんは初心者の質問にも丁寧に答えてくれます)。


あとは、ミルクティー好きならミツティーの福袋が値段もお手頃かと思います。
個人的にはセイロンはあまり好きではないですが、ストレートに向くヌワラエリア、オーソドックスなディンブラ、甘味の強いキャンディ、ルフナ、またウバなど代表的な産地のものをすべて飲む事ができます(売り切れた茶葉から福袋の内容から消えていくという珍しい福袋)。


ただスリランカ(セイロン)に関しては産地の境界が曖昧なところがあり、また風味も「え、これキャンディ?ディンブラじゃなくて?」的な事が結構あったりします。
ウバに関しては着香の問題もあったりと、同じ産地の適切な時期に摘まれたものでも(基本的にインドほど紅茶のシーズンがはっきりしていないのですが)、風味に差がある場合があります。



またセイロン紅茶では、やや知名度が劣るものの『 スリランカ紅茶専門店「紅茶屋さん」』もお勧めです(名前がわかりにくく、検索すると他の店が出てくるのでこれだけリンク貼ります)。いったん売り切れたようですが、新年にまた出るのかな。ちなみに5,000円。
ここは他のお店よりかなり強い風味のセレクトで、個人的には結構好きなお店です(と言いつつ最近買ってませんが)。
他のお店は実用に優れたアルミ蒸着のチャック付き袋を使っていますが、ここの茶葉は、紅茶の荷に使われる木箱を真似たデザインの箱に入っています。密封できないので保存は別に考えなければなりませんが、かわいいので自分は箱だけ取っていたりします(扱う商品すべて木箱とは限らないようですが)。



あえていろいろリンクは貼りませんがこんなものかな。
ダージリンのセカンドの出来が悪かったと書きましたが、アッサムのセカンドフラッシュもあまりよくはなかったようで(全般に軽いと)、スリランカについては特に調べていません。


ちなみに人気のあるものは既に売り切れ間近なので、注意してください。



今年はわたし自身は多分買わないかなーと思います。
頭使わないでいいのでだらだら書けましたが、久々に長いの書いてかなり疲れました(笑)



【追記】
2014年12月時点で、購入可能なお店をまとめた記事を書きました
http://d.hatena.ne.jp/Ereni/20141216/p1