夫婦別姓の問題

単純に、墓に入る時どうするのか。当然妻は夫の先祖の墓に入ることはしないだろう。

その代で買った墓であれば苗字を併記すればいい事かもしれないが、何代か別姓結婚が続いた場合どうなるのか。



子供にどちらの苗字をつけるかという事もある。昔でも女性方の家に後継ぎがない場合、二男三男を養子に入らせて苗字を継がせることはあっただろうが。
苗字を変えないということは女性は実家に尻尾を残す事になるように思うが、結婚した女性が実家に関係性を残す事になるのであれば、それは現実にややこしい事になる。


突っ込んで言えば、苗字を残すのであれば男子と同じ責任が生じるように思うが、現実にはなかなか難しいだろう。両方の親に責任を持つということに形ではなるが、それは著しい混乱を引き起こさないか。変化の途中が、ひどく中途半端になるような気がする。別姓はおそらく女性独立の視点でしか見ていないだろうから。



ただ、少子化であり、女の子一人であれば、女性の実家はその家を残したいと思うはずである。まあ家にこだわる事自体しない人もいるのかもしれないが、苗字を変えないのであれば、女性が実家の両親の老後の面倒も見るということにもなるかなと思う。この辺はその家によって全く事情が変わってくるだろうが、ある意味時代の流れに他の意味でも都合のいい形なのかもしれない。




確かに家族の機能そのものが現在は変質しているし、もはや祖先の祭祀など都会では存在しないに等しい。しかし生まれるであろう問題が時が経てば経つほど大きくなっていくような気がする。家という概念は確かに壊れたが、かといって結婚する、子が生まれていくという形は変わらない。尤も、「新しい形」というより、結婚の形など時代によって変質するものではあるが。


別姓を小さな変化とあえてするとすれば、そういうところからまたあり方は変わっていくものなのかもしれない。ただ現在、どうしても必要とされるほどのものとは思えない。概念先行であれば、大して何も起こらないで終わるのだろうが。
女性の社会進出は大きな要素だが、他にも家(古い意味ではなく)・家族というものには大きな要素がありそうである。