バランスの悪さが多分誤解の原因

おや。

 【ニューヨーク=東武雄、志磨力】菅首相は23日夕(日本時間24日朝)、ニューヨーク市内のホテルでオバマ米大統領と約1時間会談した。

 両首脳は、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日中間の緊張が高まっていることに関連し、中国の動向に日米ともに関心を持って注視し、緊密に連携していくことで一致した。

 尖閣諸島への日米安全保障条約の適用については、クリントン国務長官が同日午前(同23日夜)の前原外相との会談で言及しているため、「それを前提に首脳会談が行われた」(首相同行筋)という。一方で大統領は「中国との協力関係も大事だ」と述べた。

 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題については、首相が移設先を同県名護市辺野古とした5月の日米合意を踏まえて進める考えを強調したうえで、沖縄で反対が根強いことを踏まえ、「沖縄の難しい課題もあり、負担軽減についても努力をしていきたい」と理解を求めた。大統領は「難しい課題だと理解している」と述べた。
(2010年9月24日12時03分 読売新聞)


日米首脳、「尖閣」連携で一致…普天間合意推進 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


最初に漁船拘束の報聞いたとき、随分と民主政権は強硬に出るんだなと危うく思ったので、日本側の方向修正は絶対必要なのだけど(面白がって見てたけど)、検察に言わせるとかあまりにやり方がまずいと思うんだけどね。反権力弁護士たる仙谷さんは自分が野党だったら一番批判するはずだし、政府のこんなやり方は。
今回は問題設定が幾つかあって、それが一体化して見えちゃってるということはある。一つやっと解いたら、一つ致命的にまずっちゃった。地検での立論もそれはそれで大事なわけで。自民党の方が手慣れていたというのは同感だけど、でもあの頃のやり方でよかったとも言い切れない。

 中国船長釈放が話題。沖縄地検へのバッシングあたりが正論の建前によいらしくそのあたりで立論していて、全体構造を見失いがちになる。


 (略)


 こんな程度の話にお熱を上げるようでは敗戦の教訓が活かされていない。大国に挟まれて、多くの国民をいかに食わせていくか、それには、米国や中国に劣らぬ巧緻な頭脳が要求されるというのに。


今日の大手紙社説- finalventの日記


中国のやり口がはっきり見えた今なら、おそらく世間に真珠の首飾りの話も通じるだろうなと思うし、今回の中国のやり方に嫌悪感を持ったのは日本だけじゃなくて、今回の中国の強硬姿勢はそこそこ世界で報道されていた。そこには強い警戒感と、嫌悪感の影があったと思う。日本だけじゃないのだ。
問題が混ざっていて、最初にあった日本側の下手を国民が認識していないのはまずいけど、中国一般やたぶん第三者から見てもこのタイミングは恫喝に屈したように見えた。中国政府は一枚岩ではない。譲歩のやり方を間違えてそれがだれの目にどう映って、そこに害が出てくるなら、それはもう最初の問題設定を超えたことになってきてしまう。



最初の読売リンクはこのエントリ↓から引っ張った。
最後のこのセリフが雪斎氏らしい。超ワロタ

 中国が次に下手なことをすれば、日米共同で対処する。これを可能性として言えるようになったのは、まことに結構である。中国が尖閣でエキサイトしてくれたおかげで、こういう「型」ができつつある。


(略)


 それで、具体的に、どうするのか。
 1 日米提携の加速
 2 日本経済の「中国」からの脱出
 ありがとう、中国。中国のおかげで、日本は、「普通の国への脱皮」に近づける。


勝つと思うな。思えば負けよ。: 雪斎の随想録