とりあえず仲間を売れ スラビャンスク

3:45あたりから。


ウクライナ東部で政府軍が親露派民兵の重要拠点だったスラビャンスクを奪還した後(ウクライナ政府軍、スラビャンスク奪還 : WSJ)、ウクライナ軍が街を「解放」し、住民達が援助物資を待っているシーンです。

一人の中年女性が唐突に、「ここにいる人間の半分は分離派(親露派)支持だったのよ」と叫び出し、周囲の人間は微妙な反応をしてます。一人の男性だけが「本当だよ」とそれを肯定するんですが、この男性がさらに「彼女も同じ事をやってたのさ」と記者に耳打ちするんですね。

こういうヒステリックな事をやる人は戦後すぐの日本にもいくらでもいたんで、叫び出した時点で「彼女も」というのは想像がつくんですが。


取材しているオストロフスキー記者は、自分も親露派民兵に拉致され三日間拘束されていた人で、この動画の中で訪れている、自らが拘束されていた建物地下も強烈です(これは日本のニュースでも流れていたかも)。
後半は、破壊されたアパートメントに住み続けている90歳の身寄りのない女性への取材という構成になってますが、悲惨さに目を覆いたくなるような状況。

オストロフスキー記者はキエフ政府のやり方にもかなり批判的で(というか西側メディア全般、キエフのやり方にかなり懐疑的なところがありますが)、それを反映した作りになってます。


元々東部の人間は親露派民兵支持が多く、状況に嫌気がさして(スラビャンスクは戦闘が激化し大部分が外部へ避難中)支持が離れているとはいえ、後どうするのかなと思ってたんですが。何の事はない住民は日和見なんですよね。
そもそも昨日までウクライナ人として普通に暮らしていて、いくらロシア系といっても、突然ロシア編入と言いだす時点であれなんですが。

この変化についてはロシア国営テレビのプロパガンダ放送の影響が大きいと言われてますが、ロシア語がわからず、外国人である自分にはどうも温度が掴みきれず。
同国人のキエフ政府はこの辺の生温さをわかっているという事ではあるんだろうなあと。

最初の女性はたぶん、一ヶ月位前には「キエフファシスト政府!」とか叫んでたんだろうなと…