久々に宗男日記を読んだ

いろいろな意味で面白かった。現在ハンナン関係の裁判が進んでいるが、当然それにも触れている


吉進丸の坂下船長釈放について質問主意書参照)は、領海侵犯についての船長とロシア側との食い違いについて質問しており、外務省がどう答えるかが見ものといえば見もの。



北朝鮮の核実験について、ちょっと面白い事を書いていた。この人は基本的に外務省批判に全てを帰結するパターンがあって、これもそうなのだが。

今回の核実験は、安倍政権が誕生したことに対する北朝鮮流の「プレゼント」である。その根拠は、自民党総裁選後の9月25日に北朝鮮政府の事実上の公式HP「ネナラ(わが国)・朝鮮民主主義人民共和国」に、同月19日に日本が対北朝鮮金融制裁を発動したことに対して「朝日対決を極に至らせる妄動」という論評を掲載し、その中で(中略)「平壌宣言の精神と原則を踏みにじる行為」という表現を用いていることが重要だ。安倍政権になったことを踏まえ、北朝鮮平壌宣言をルールブックとして日朝関係を立て直したいと考えているのである。同論評で「われわれは、日本の挑発的かつ浅ましい醜態を袖手傍観しないであろうし、必要な措置を引き続き強化していくであろう」と述べているが、核実験に関する声明は、日本に対して向けられたメッセージなのである。


http://blog.goo.ne.jp/kouich3big/e/4477d4e7112830007d8797176067fb02


で、どの話題でも、特に外務省の板場報道官への批判でオチをつけているところが、この人らしいというか、真紀子さんへの批判で逆に足元を掬われてしまった時の像がやや重なるがどうなのだろうか。



宗男氏には基本的にロシア関係から北朝鮮につながりをつけろという考えがあるが、現在ロシアと敵対する理由がない以上、きちんと関係を確立しておく必要性はある。どうせロシアは日本からの投資が喉から手が出るほど欲しいわけだし。
で、それを麻生さんと安倍さんはわかっている感じではあって、ロシア側が持っていた新政権の右派的イメージの強さが、今回麻生さんの三島返還発言で裏切られたという感じがある。結局領土問題は特にロシアにとって両国の関係進化の障害という位置付けであり、新政権船出早々、これは流れとしてはかなり大きい(最初、外交経験がない首相なので、ロシアにとってあまり期待できないだろうという記事もでていた)。案の是非はともかく、話題の振り方のタイミングとしては麻生GJという事だろうか。まあこれもロシアメディアの反応だけで、ロシア政府の公的見解は出ていないが。



麻生さん自身については、以前北方領土で日本の番組流せという発言がロシア側報道で流れ(発言があったのがたいした場ではなかったので、なぜ報道に乗ったかが当時疑問だった)、ロシア側からすると領土問題で超タカ派的イメージがあった。麻生さんは共同統治案にも言及していたけど(鳩兄もしてたはず)、その案がほとんど機能しなかったものだったのはともかく、今回ロシアでの過剰なタカ派イメージが一気に修正されたというのが実際のところ。


ただこの三島返還発言は外務省と連携が取れてない。四島返還論者の宗男氏もロシアに間違ったシグナルを送る事になると批判しているが、新根室市長は「日ロで平和的に解決する一つの案であり、国の大臣がその視点に立ったのは歓迎すべき」と発言と。


まあ北方領土については動向を追っていくだけだけど。