不作為であれば、福島原発は更にひどい破綻に至るであろう事

ヒドすぎる原子力安全委員会の会議内容
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これを見て唖然とした。
これや首相動静の惨憺たる内容を見ても、なぜ黙って国民は見守っているんだろう。
はっきり政権内部に内情を公開するように要求し、事によっては躊躇なく退陣させるべきじゃないか。
首相も東電の社長も不在で、動くべき物が動いてない。そして事はここまで加速した。

東電広報や上層部、原子力安全委員会、保安院に当事者意識が無い。
東電があの状態の社長を辞任させないのは、誰も（おそらくは会長が）最後の責任を取りたくないからだ。
だがそのことのもたらす悪影響も明らかであり、また、不在を非難するメディアや人間がいないこと自体も、事を破綻に追い込んでいる病理だ。

計画停電には記者会見を開き、NHKのテレビ番組にまで出演し、汚染水を垂れ流すのには役員すら出て来なかった。政府は周辺国にも通達しなかった。
この事の眩暈のするような意味を、ほとんどの人が見過ごし批判しようとしない。

私たちはどこかで、政府も関係機関も、真剣に取り組んでいるだろうと思っている。
でもそうではない。
安全委員会は、自分達は関係ないと思っている。明らかにろくな助言をしていない。議論しているのは原子炉の危険な状態の解決ではなく、書類の『てにをは』だけだ（比喩ではなく現実に）。
首相は専門家を何人もアドバイザーとして置いたというが、首相には有効な案を選びとることができないのだろう。おそらくいくつもあがってくる解決案を、選択し決断する能力がないのだ。
現実に、ごく初期に外付け冷却装置を提案した上原春男氏の意見を放置し、ここにまで至っている。

水があふれることなどわかっていた。いずれ線量が跳ね上がり作業できなくなることも、初めから明らかだった。
それでもなにもせず放置していたという事の意味は、明白じゃないか。我々が用意しろと突き上げていれば、彼らもなんとか準備していたはずだ。
やれる事を放ってぼーっとしていたツケが今なのだ。そして今まだあなたはそこで固まっていて、現実は変わらず真っ直ぐ悪い方に進んでいっている。
デモや意思表示を、「イデオロギーの」人にだけ任してる状況ではないのに、だれもが冷笑的態度を形だけ保ち、意味のない冷静さを装っている。

3月21日時点でアメリカ側は（NRCのメンバーのことだったか）、4号炉の燃料プールが破損し燃料が飛び散っていると見ているという話が出ていたが（http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news559）、わたしはネットで4号炉のプール破損と思われる写真をみて頭を抱えた。
飛び散った燃料についてのリーク記事もNYTにでているが、未だに東電も保安院も燃料棒がおとなしくプールに入っているとして動いているのだろうか。
会見を見ていても、彼らは本質的な質問にはほとんど答えていない。囲む記者にもまるで危機感が無い。

なぜあの状態に口をつぐんでいられるか分からない。
自分の不作為で我々は自分自身を追い込んでいくのに。何もかも手遅れになっていっているのに、内輪で文句を言うだけで、誰も手を出そうとしない。

上杉隆氏の「日本人は海外メディアでテロリスト呼ばわり」発言が嘘だと騒いでいる人達がいたが、最初から上杉が煽りたてるクソったれだなんて、誰でも知っている。同じ会見で他にもいくらか怪しいことを言っていた。
そんなことより、彼が指摘していた、いくつもの事の方が余程大事だったし、多くの記者が東電や保安院を動かすために、聞くべき事を聞いていないのは事実でしかない。

福島原発の周りは、おそらく空白なのだ。そこに本質的な解決の力が働いていないという意味で。
ここにいる人間は、口をつぐむ事で、現地の作業員を取り返しのつかないところまで追い込みつつある。
できることなら、作業員の家族に国民を非難して行動しろと言ってほしい。既存メディアの記者たちに、我々の不作為を指摘し、政府に働き掛けろと言ってもらいたい。
世論が意志を持って解決を要求する時、政権も関係類するもの全て、その意志にしたがって動くしかないからだ。

我々は少したって、自分の住む土地で大震災に見舞われるまで、ぼーっとしているのだろうか。
被災者かわいそうと言いながら、そう遠くなく来る、来るかもしれない、災いに言い知れない恐怖にかられながら（いま日本の東半分で、まるで平気な人間などいないだろう）、目の前に破綻がやってくるまで指をくわえて待っている。

3月15日、雪か雨が降っていれば、東京は飯館になっていたかもしれないと指摘があった。
あの時東京の人間で、そんな事心配してる人間はあまりいなかった。言えばデマだ煽るなと言われただろう。
それほど人間は己の危険に疎い。いま足元にある危険にも気が付いていない。

いま危険だと、責任者たちの頬をはり飛ばして行動を促さなければ、事はますます取り返しがつかなくなっていく。
集団ではなく自分の言葉で、私の言葉などと関係なく、あなたの意志そのもので動く最後のチャンスでさえあるかもしれないのだ。

わたしは誰かを動かそうとは思っていない。あまりにも疲れているから。
自分から何かを動かそうと働きかけるほど元気が無いから。このブログを誰かに伝えようという気力がもうなくなってしまっているから。

きっとこの言葉は宙に浮いて消えてしまう。
不作為の言い訳をして、ここでわたしは破綻を見つめて待っている。