見える見えない

いろいろ考えてはいるけど、結局常識的な線を外してはいけないのだと自分に言い聞かせる。
考えは所詮考えなのだ。それに引きずられてはいけない。


祖父の言葉も、自分の経験も、極端さは己を滅ぼす事を告げている。
生まれ持った鋭さは、現実との折り合いをつけていかなければならない。それが本来、賢明さというものであるはずなのだ。


誰も自分を止めてはくれない。自分の意志で、眼で、己を律していく他はない。


時々自分が境界線にいるのがわかる事がある。
この境を知らずに渡ってしまう人の、どれだけ多い事か。



そして、でもわたしはどうするというのだろう。
たとえ間違わなかったところで、わたしに生きていく術などありはしないのに。