世界

身体がまともならよかったのに。
そしたら何もできない事に、これほど苦しめ続けられる事はなかった。


耐えられないんだ。死にたいと思う事はなくても、ただ一瞬一瞬を過ごす事に身体が耐えられなくて叫び出しそうになる。
耐えられなくて、耐えられなくて、現実とのほんの少しの透き間を言葉にする。
でもその言葉は結局、宙に弾けて消えてしまう。
純粋さは人の目にさらされるだけで、日の光に溶け去ってしまう。


この言葉がどうやってできているのか、外からは見えない。
ここで書いているのは全て苦しみでしかないから。


でも見えないんだよね。
言葉の羅列が評価という形を生むのなら、それはわたしを苦しめるものでしかない。


根本から、おそらくあなたとわたしは違うのだ。
自分以外の人間は、四六時中身体の内に苦しめられるわけではない事を、わたしはいつも忘れてしまう。いやそうではなく最初から理解できない。


耐えられないから言葉を書くのに、なぜこんな悲しい思いをするんだろう。
身体が檻に閉じ込められているなら、心だけは囚われる事のないように。社会のタブーの潜在的な意味をここで書き続けていた。
笑い者になるのはわかっていた。その笑いが何処からくるのか、わたしは考え続けていたのだから。


まともな言葉など見つからない。
なぜこんなにも身体が辛いのか。
なぜこの事で二重にも三重にも置いてきぼりにされるのか。
耐えられないんだ。もうどうでもいい。