マクベス第五幕五場
明日、明日、明日という日は
日一日と確かな足取りで
人間の歴史の最後の一節まで忍び寄ってゆく。
昨日というすべての日々は、愚か者たちに、
終には塵となる死への道を照らしてきた。
消えろ、消えろ、束の間のろうそく。
人生は歩く影に過ぎない、下手な役者だ、
出番の時は舞台の上で派手な身振り大きなため息もつくが、
終わるとふっと居なくなる。
人生は白痴の語る物語だ、響きも感情も騒々しいだけで、
そこには何の意味もない。
わたくしは長い旅をしている気持ちでいます。
人類の歴史の中で、ほんのひと時、この世にお邪魔しているのです。
芝居で言えば、わたくしの生きている時間がわたくしの出番なのかな。