幻の4カ国協議

今月そろそろ6カ国協議かというニュースが出ていたが。



2009年11月30日付

 −−解決を図るのは6カ国協議の場でしょうか。


 姜 もっとも現実的であり、これしかないと思います。6カ国の枠組みのなかに非公式の2カ国、3カ国、4カ国と重層的なダイアローグ(対話)の仕組みをつくり、お互いに許容していくのです。ASEANフォーラムが好例でしょう。6カ国協議のなかで米朝の2カ国協議、休戦協定の終結と平和協定への締結に向けて韓国と北朝鮮と中国そしてアメリカによる4カ国協議、さらには日朝の2カ国協議も重要です。こうしたダイアローグが重層的に成り立つ場としての6カ国協議にしていくべきです。




 −−そのためにも広島で6カ国協議を開催して成功させるのだと。


 姜 6カ国協議を通じて、北朝鮮に後戻りできない核放棄のプロセスを求める。そしてNPT(核拡散防止条約)体制に復帰した時点で非核保有国になります。北朝鮮が核放棄を決めたら同時に休戦協定を廃棄し、平和協定を締結する。こうして核なき世界に向けて、北東アジアで第一歩を踏み出すのです。


今、平和を語る:政治学者、東大大学院教授・姜尚中さん - 毎日jp(毎日新聞 大阪夕刊)

2009年 12月 14日付
米朝、平和協定締結に向けた4カ国協議で一致=聯合ニュース | Reuters



2009年 12月 17日付 WSJ

 北朝鮮は先週のボズワース米特別代表(北朝鮮政策担当)の訪朝時にこれ(管理人注:4カ国協議)を提案した。1953年の休戦協定に替わる合意を目指して行われた前回の交渉は、韓国の参加に反対した北朝鮮の抗議で1999年に頓挫している。

 協議再開を今蒸し返すことで、北朝鮮は議題を非武装化から他のものにすり替える事に成功した。


(略)


 今回北朝鮮が提案する4カ国協議で除外されることになるのは、ロシアと日本だ。だが、ロシアは当初から北朝鮮の非武装化には大した関心がなく、形式上協議に参加していただけだった。

 一方、日本は関係各国の中では過去3年間で北朝鮮に対し最も強硬な態度を取ってきた国として、重要な役割を担っていた。例えば日本の外交官は、国連安全保障理事会北朝鮮に制裁を加えている間、米国が中国の圧力に屈しないよう強く働きかけていた。

 こうしたスタンスの日本が除外されれば、米国は交渉上の重要なパートナーを失う。また4カ国に絞ることで、北朝鮮は敵の勢力を分割するという常套手段を使うチャンスも得ることになる。

 聯合ニュースの報道では、4カ国協議は6カ国協議再開までは開始しないというが、北朝鮮が2つの交渉を巧みに操り、終戦協議を進めながら非武装化の議論を消し去ろうとするのは確実だ。今後、金正日総書記は6カ国協議の前提条件として朝鮮戦争の正式な終結を要求してくると思われる。


【オピニオン】4カ国協議へ向けた北朝鮮の狙い / オピニオン / オピニオン / ホーム - The Wall Street Journal, Japan Online Edition