目が覚めて

あとで自分のしたことに気づくことがあるから。
目が覚めて身体が力を失っていることに気がついて軽い絶望に襲われるから。


この身体では何に関わることもできないから。言葉を連ねて何かに働き掛けている。肝腎な事は口に出せない。力が足りないから。誰かに迷惑を掛けたくないといっても、そうではなくてそこまで届かないから。


こっちを向いて。話を聞いて。私の言葉を聞いていてほしい。言えなくなることがまた一つ増えたのになぜ気づかなかったんだろう。
そこでしゃべっていて。同じトーンで。わがままは言わないから、これ以上は近づけやしないから、そこでしゃべっていて。


甘えすぎているのはわかっているけど、力がなくなり過ぎるのが怖くてどうにもならなくなるから。自分がどんなことをしているかはわかってる。なぜしているかもわかっている。でもそれは口に出さない。


書けないことばかりでおかしくなりそうになる。それなのに焦点ばかり合ってくるから。



こっちを向いて。話を聞いて。
痛みは深く身体の後ろに根を下ろしていて、何もどうにもならなくなって他にすべが見つけられない。少しだけ話していって。ここで安心できるように。もう少しそこで一緒にしゃべっていてほしい。やっぱりいなくなればいいと思っている。それがなぜかは言わない。