台風イッカ

風に傘を飛ばされそうになって、子供の頃の同じような光景を思い出した。私の傘は真っ先に飛ばされて、おもちゃのようにぐしゃりと潰れた。
なぜこうも鮮明に覚えているのだろう。店に渡る段と、雨に打たれる様子と、夢に見たかのように俯瞰の視線で身体に残っている。