言葉にしなければ理解されない。
あなたは何も語らなかったではないかと問われて、けれどあなたにその言葉は通じない。


苦しみは語られる事はなく、あなたの目にそれは自分の考えよりとるに足りないものに見える。いやそうではなく、それが可視になった時どうなるのか、あなたは過去の意味を知らない。



人の息遣いも、遠く焦点が合っているように見えるものも、疲れ切ってもう足を動かせなくなってしまった姿が常に寄り添っている。

一度は己の若さに夢中にならなければならないのだとして、ではいったい何ができたのだろう。歩くことなどできなかった道のその中途で。



力はいずれ去ってしまう。もう押し止められないのだと感じても、私は立ち尽くすより他はない。