北朝鮮とか中国とか平和五原則とか

国家主権及び領土保全の相互の尊重,相互不可侵,内政相互不干渉,平等互恵並びに相互の援助及び支持の基礎の上に,


中朝友好協力相互援助条約(中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国との間の友好,協力及び相互援助条約)


http://d.hatena.ne.jp/plummet/20061012


っつーのはいわゆる平和五原則という奴ですが。まあ中国は友好的な条約を結んでるとことは、どこともこの内容は含まれている。



http://pol.cside4.jp/gaikou/21.html
http://www.tibethouse.jp/history/19540429.html


下の方のチベット解放のホームページでわかるけど(論調としてはその分差し引いて読んだ方がいいのかも)、そもそも内政不干渉とか思惑ありありの取り決めで、現在だと無法者国家と中国が友好的な条約を結ぶ時にこの項目が生きてくる。
要するに無法者国家に対して「あなたがどんな無法をやっても黙認します」ということになるわけです。


イラク戦争の事なんかがあって、中国は最近は、アメリカが各国に干渉しすぎだから、不干渉の精神が世界平和に正しいんですという論理軸を展開していた。この辺は世界のリベラルのアメリカ悪玉論と重なっている。一時人民日報などで延々と解釈を書いていてくれたんで、よくわかったんだけど。「新しい時代に向けての平和五原則」とか。



ちなみに平和五原則の流れは、アジア・アフリカ、バンドン会議の平和十原則とかにもつながっている。つまり中国が「発展途上国のリーダー」としての顔を使う時は、上のような流れが存在している。アフリカ相手とか。



今回の場合、肝心なのはこの条約が拘束になるという一点ですが、その場合条約を事前に破棄しちゃうなんて裏技もあるかも。ただ、侵攻はないだろうとは思う。中国は現在世界の目をある程度気にする国家になっているし、その上で侵攻というリスクを取るならまず台湾(侵攻の意味合いが違うにしろ)。
まあ朝鮮戦争というのは浮かぶんだけど、それをいえば現在はあの頃と決定的に状況が変わっている。


ブッシュが先制攻撃を計画し始めたとしても、それほど異常な行為とは思えない。だってイラクより断然リスク高いもの。少なくともイラクは西海岸を核で狙ったりはしなかった。で、その場合爆撃機は一体どこから飛んでいくのかと考えれば、呑気なわが国民も寝付かれない。当然フツーに考えれば、沖縄だかグアムだかそのへんから、怖い飛行機が飛んでいくことになり、ドンパチやって、南朝鮮&米国主導の半島統一。中国、それはどうよ?と。


(中略)


とすれば、豆満江を超えて、現キムさん何でもありよ政権とナシをつけて、北に一気に入り、朝鮮民族自治区を作り、キムさんに時間限定で自治支配を追認し、そのかわり核はなしよと。現状維持を20年続けた後に、気が向けば統一もありかな?みたいな中国方式。



BigBang: 北朝鮮核実験に寄せて・電波な予測になればいいけど予測する今後の朝鮮半島

「マジ突っ込みはなしね」エントリだが流れ上いったん突っ込むとして、アメリカはイラクの後遺症があり、そう簡単には北には突っ込めない。ということで膠着状態がある。


とりあえず朝鮮半島統一という命題もあるが、難民流出で中国は頭を痛めまくっており、その当の国家を内に抱え込みたがるかという問題がある。まあそういう平時での意味では、北朝鮮という国家は中国の許容範囲を超えつつあるかもしれない。北の国家が体制としてもたないと判断すれば、中国圏に取り込まれてきている韓国にまず押し付けて、日本のカネ突っ込んで建て直しということも考えるかもしれないけれども、それは韓国が本音では統一を嫌がっているということとも関わってくる。



北の政権をすげ替えるとして、代わりの駒がいるんかいなというのはある。やるとすれば世代交代のとき意の通じさせられる息子にってくらいだろうか。先軍政治という特殊性もあり、がっちり出来上がった体制があり、中国が果してそこにかかわれるかというとそういう付き合い方してねえよという風には見える。




核実験を行ってしまった(らしい)現時点では、中国にとって北は自国を厄介な立場に追い込む要素であるには違いないが、友好国家である北に対して侵攻する理由が見えない。友邦である部分を変える要素も見えない。


で、北は崩れる時はころっといくだろうけど、北朝鮮という国家をなめてはいけない。極限状態で何ぼでももつ国家であるから。いったいどん位前から崩壊する崩壊すると言われてきたかと。北の専門家が「北朝鮮国家は崩壊する」というあおりを何回書いて外してきたかと。



まあこんなことでも、主体的に関われない日本の悲しさであって、もうしょうがないじゃんとわかっていても、もう少し戦略的に動けないかと思ったりはする。
結局今回の実験もアメリカへの二国間交渉ラブコールでもあるわけだけれど、二国間交渉に米国が応じるつもりがないのはわかりもしているだろうし、ここからどうすんのと思うとこの国家はめちゃくちゃすぎて、本音のとここのまま突っ走る姿しか浮かばない。




難民問題(脱北者)は中国にとっては深刻で、来る端から追い返して人権蹂躙もいい所の事をやっているので、かなりアメリカから圧力がかかっている(つか日本もかけろよと。北朝鮮人権法の脱北者受け入れの項目は、この辺りに圧力にもなるわけだが)。