君は多羅尾伴内を知っているか

いや私も、シリーズ数作しか見てないんだけど。
この多羅尾伴内wiki)シリーズは、何作か見れば飽きるし。千恵蔵だと、もっと荒唐無稽なシリーズもある。
恐るべきはGHQのお達しでチャンバラ禁止の苦し紛れ作品(とその延長)群である。



「裏切者は地獄だぜ」なんかだと、鶴田浩二が冗談ではなく「キューバのジョー」とかやっている。鶴田らしくそれなりに気取ってはいるものの、映画自体があほ過ぎるのでかえって悲しい。御大片岡千恵蔵が「海山千吉」とかやってる以上、断れなかったんだろうかと思いを巡らせてもみる。


進藤英太郎に至っては「ピカドンの熊次」である。まんま馬鹿としかいいようのない役どころだが、今だったら、なんかの取り決めに引っ掛かる名前のような気もする。進藤栄太郎は、楽しんでやっているようにも見え、見てる分にはやはり楽しい。


結局千恵蔵、月形と共に東映の魔の時代劇定型化大作戦にはまってしまうが、進藤栄太郎も好きな役者さんである。
千恵蔵というと、えーと、大岡越前の父親役というのがある程度若い世代にも、まだ一番通りがいいだろう。わかるかな、わかんないか。いいやもう。



この辺の作品群では、千恵蔵の全く似合わない洋装が見物であったりもするわけだが、(年齢的に無理無理になった後も)正統派千恵蔵を愛する私としては、苦しい所。


後年小林旭も、流しの歌い手としてギター弾きながら多羅尾伴内やってたらしいが、あえなく二作で撃沈している。
所詮千恵蔵と小林旭では格が違うのである。





「ある時は競馬師、
 ある時は私立探偵・多羅尾伴内
 ある時は画家、
 またある時は片目の運転手、
 ある時はインドの魔術師、
 またある時は老警官。


 しかしてその実体は……正義と真実の使徒、藤村大造だ!







引くなら引いてくれ。