人質

んー。
たとえばさ、傷が自分の存在と不可分だった場合、もう散々晒されて来てしまっているんだよね。わざわざ見せ付けなくたって、それは自分の一番外側に位置しているから、関係もない人が気紛れで蹴飛ばしていったりするわけで。


例えば自己紹介をする時に、体の事は言わざるを得ないし、「まず傷を公開しなければならない」事情を持っている人間は、世の中にいくらでもいる。言わないでも、他人にわかってしまう人というのもいるんだろうし。



そういう人間にとって、傷を晒す事は、相手に対して自分を人質に取ることには成り得ないんだよね。

誰も弱みだなんて思ってくれなかったよ。自分がきちんと存在できないまさにその理由によって、人というのは踏みつけられていくものだから。これは身近な存在から向けられるものも指しているし、社会が圧力になってしまうとか、いろいろね。



どちらにしろ議論など、もういったん終わっている。私の批判には誰も答えなかったし、それは最初からわかっていた事。

一連の議論自体、茶番でしかなかったしね。