遺骨問題 吉井氏の件を、北が改めて問題化しようとすることについて


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 宋大使はさらに、「我が国にも鑑定の専門家がいる」とし、両国の専門家が第三者の立ち会いのもとで、「遺骨」を再調査することを提案した。また、日本側で鑑定を行った専門家の公開説明が必要とした。


北朝鮮大使「遺骨」返還を要求、拉致調査再開の前提と : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


「まあそう来るよね」という感じ。はっきりいえば、この間のはてなの盛り上がりも、私は当初北の仕掛けの可能性を疑った。(間接的にとかそういうことね)
遺骨の問題点はなぜ何年もしてから掘り返して焼いたのかとか、時系列とか他の致命的な問題がいろいろあるわけで、北はネイチャーの件辺りに話題を絞りたいのだろう。あまり体調がよくなかったので判断が鈍ったが、やはりきちんと対処するべきだったかもしれない。おそらく五号館さんほどの注目を集める事は無理だっただろうが。


火葬についてアリバイ作り 7月5日付け記事
電脳補完録 招待所や火葬場を公開 めぐみさん拉致で北朝鮮



この記事。

英男さんは「遺骨」を職場の事務室に保管していたとした上で「思い出すたび骨つぼを開けて触ったりした」「鑑定で自分や火葬を手伝った人のDNAがなぜ検出されなかったのか、理由を聞きたい」と述べた。
 また、姉の金英子さんは、英男さんが対面の際「遺骨に他人の遺骨が混ざっていたかもしれない」「めぐみは三歳の時に交通事故に遭った」と話していたと明らかにしたが、英男さんはそうした発言を否定した。

 めぐみさんの両親に送った手紙で「一九九三年に死亡」としていたのは「時間がなく、あわてて書いたので日付を錯覚した」「筆跡が公開されるのではないかと思い、関係部門の人に書き写してもらった」と説明した。


(略)


滋さんは、金さんがめぐみさんの「遺骨」を火葬した時期を「一九九七年春」とした点が気になるという。「前は火葬にしたのは埋葬後二年ぐらいと言っていて、一九九四年に死亡したのなら九六年になる。(九七年は)めぐみの拉致が明らかになった時期と同じだから、別人の遺体を焼いてめぐみのものにしようとする意図があったのではないか」と述べた。


政府に遺骨返還要求 金英男さん会見 ウンギョンさん途中同席


これ↓

横田めぐみさんの夫だったとされる金英男さん(44)が平壌で記者会見した際、「骨つぼを事務所に保管し、めぐみを思い出すたび、ふたを開けてのぞいた」と発言したことについて、拉致被害者蓮池薫さん(48)は7日朝、めぐみさんの父滋さん(73)に電話し「当時の英男さんの住居兼事務所は何回も訪れたが、骨つぼは見たことも聞いたこともない」と反論した。滋さんが7日明らかにした。


蓮池さん反論「骨つぼはなかった」 横田さんへ伝える


バレバレ。
他にもめぐみさんの頭の傷の件や、入院していた病院の地が変わっている事を蓮池さんに反論されている。

また、北に行っている日本のマスコミ各社だが、増元さんが以下の指摘を。

ミサイル問題の発射に隠れて、見過ごしてはいけないことがある。フジTVの対応だ。フジTVは、先の金英男氏家族の面会会場にいた2人を、安明進氏の証言をとり監視員と報じたが、北朝鮮統一部から批判を受け、報道を誤りと認め謝罪したようだ。金英男氏の会見を見てもわかるように、嘘のシナリオを押しとおそうとする北朝鮮政府の言うことを信じ、安氏の証言を間違いと断じたのである。これまで、安氏の証言があり「めぐみさんの拉致」が明らかになった経緯を無視し、安氏がうそつきと断じたのである。これは安氏に対する大いなる侮辱であり、北朝鮮に阿る姿勢ではないか?安氏の人権を如何考えているのであろう。

http://www.interq.or.jp/power/masumoto/ms.html


電脳補完録 現在訪朝しているマスコミは7社


で、一応去年の関連記事。これは参考まで。

 拉致被害者横田めぐみさんのものとされた遺骨を「別人のもの」と鑑定した帝京大医学部法医学教室の吉井富夫講師(49)について、警視庁は25日、科学捜査研究所(科捜研)の法医科長として採用する人事を発表した。警察が外部の人材を管理職として招聘(しょうへい)するのは極めて異例。
 警視庁は来年度、細胞内小器官ミトコンドリア内のDNA分析が可能な機器を導入する方針。DNA鑑定の権威として知られる吉井講師は捜査の鑑定技術を向上させる役割を期待されている。
 細胞の核を使ったDNA鑑定は全国の科捜研で実施されているが、あかや汗、毛髪など細胞核を含まない資料は、ミトコンドリアDNAを鑑定できる警察庁科学警察研究所科警研)や帝京大などに依頼するしかなかった。


帝京大講師が科捜研科長 横田さんDNA鑑定で実績:共同通信 2005年(平成17年) 3月26日


http://list.jca.apc.org/public/aml/2005-March/000895.html

北がこの問題を利用しようとした動きについて。


電脳補完録 「ニセ遺骨」の分析者、自ら語る? 朝鮮総連機関紙「朝鮮新報」3月17日付記事


このあからさまに北の代弁をしているページからここ。ニセ遺骨の鑑定の件を書いた後、この結論。

北朝鮮側は05年1月24日の備忘録で「日本は反朝鮮謀略劇の責任から絶対に逃れられない」と非難し、数度にわたり遺骨返還と謝罪を求めている。span style="font-weight:bold;">遺<骨が仮に日本政府の主張するように横田めぐみのものではないとすると、元の所有者に返還するのが筋であるが、それにも日本側は応じず、両者の交渉は、引くに引けず進むに進めない泥沼状態に陥った。
 遺骨問題は拉致問題を引き起こした北朝鮮に第一義的に非があるが、必要以上に問題をこじらせている日本の態度も褒められたものではない。これ以上事態を悪化させないために、再度原点に立ち戻って仕切り直し、高度な政治的判断に基づく決着が必要であろう。