取材の途中

話題の拡散をまた戻さねばならんだろうなという感じ。言論において危険なところは出尽くし、また殆ど叩き潰せただろうから。まあこういうのは繰り返し出てくるけれども、佐々木氏も歌田氏もR30氏ももうこれ以上何か書かれるつもりはないだろう。佐々木氏もR30氏も思想的に偏った人ではないし、特定の危険な部分をクリアにできればそれで良かった。彼らには現在松永氏が戻ってくる道筋を作る為、協力を求めているが、結局松永氏を受け入れられないかと試みる点に於いて、BB・エレニと何ら変わるところはないのである。


本来言論フレーム以外で何をしようとも、また何ができるとも思っていなかったが、ここまで首を突っ込んでしまった以上、仕方ないかというように思っている。松永氏がこちらの呼びかけに対して(事実追求ではなく)「お前は関係ないだろう」と言えば、実は「そうだよなあ」と思ってしまうのだが、当の松永氏やジャーナリストの皆さんが勝手に問題を大きくしてしまったわけで、まあ自業自得ということである。松永さんに関して既に「プロパガンダをやった」と過激な言葉を使った以上、放り出すわけにもいかない。まあ言葉の通りではあるのだが、氏を窮地に陥れかねないあの言葉を投げて、そのままというのは私の本意ではない。


松永さんが多少とも目障りだと思うなら、私を引っ張り出すに至った歌田氏を心の中で罵倒することででも変えていただきたい。まあもう既に別の形で、一回罵倒されたようではあるし、松永氏の目にはBB氏しか映ってなさそうでもある。どうもやはり二人には、同属的色彩も濃いなあと思う。松永氏はBBがなぜこんなに俺に執着するんだというが(その理屈の混同と筋違いさはともかく)、私には松永氏もBB氏に充分こだわりがあるように見える。



話は変わるが、松永氏のインタビューは、まだ終わっていないだろうと考えている。佐々木氏と泉氏、R30氏は問題のあるインタビューと言論を行っただろうけれども、結局あれは、松永氏を「こちらの世界」に迎え入れる為の道程に過ぎなかった。繰返すが松永氏という個人を巡って、向こうに見据えた場所はそう変わらなかったし、私が佐々木氏らに協力を求めるといった文脈も、結局そこに位置している。つまり「途中で投げ出さないで下さい」ということなのだ。三人は無言を貫いておられるけれども、火中の栗はまだ拾えていないし、松永氏が戻って来られるように最後まで協力してくださいよと、そういうことである。彼にインタビューをした目的を、是非もう一度考えていただきたい。まだ何も終わっていない。あなた方は未だ取材の途中にいるのである。

これについてはもちろん返答をお待ちしている。とりあえずこれらの言葉について、考えていいただきたいと思っている。



私は元々松永さんの問題のみであれば、一切でる気はなかった。問題の当事者ではなかったし、オウムという問題は軽々しく触れていい事ではないと判断していた。そして彼の発言や資質に、過度に引っ張られるところがあったからでもある。私の最初のエントリーにおいても、それはかなりはっきり出ていて、そこに引っ掛かりを感じる方も結構おられた。
「戻ってくるべきだ」という私の姿勢は一貫しているだろうし、そう思わせるものは、彼の才によるものなのか何なのかよく分からない。まあそう思わされてしまう人間も、意外と多いようだというのも判る。noon75氏は明らかにその口だが(笑)



入院前、松永氏に一貫してみられたのは「外の世界への被害者感情」だったと思う。私がサイコを松永氏と思った大きな理由もそこにあり、松永氏がいまだオウムの心情にあると思ったのもそれがある。ただ、そんな事も包み隠さず述べる氏の言には、煽りとともに真実の趣きが感じられた。実際、かなり当時私は松永氏の言葉にぐらつかされたし、それもあって表に出なかったのだ。だが復活後のサイコにはその要素が感じられない。私は一切サイコの煽りに反応しなかったが、その言葉には何も感じなかった。


我々は彼の発言や行動に説明を求めているし、言い訳するのがかなり難しい部分もある。が、それでもどうとかして埋められないだろうかと考えている。脱会するか否かで、外の人間には分からないぶれがあるのは承知している。松永氏がいろいろと余計な事をしてしまう事と、「アーレフである」事があまり関係のない事だというのも判る。いろいろあるが、この辺はちょっと言葉をぼかしておく事にする。


まあ結局私が思っているのもこういう事だが、また「向き合ってくれ」と言って、それが松永さんにそのまま通じるのかというと、それもないだろうなと思う。


言葉を連ねれば連ねるほど、松永さんは反発を感じられるようにも思う。彼は偽善的物言いを嫌うだろうし、なぜだが彼への呼びかけになると、自分の言葉はそれらしい色彩を帯びてしまう。そのことに私はずっと苛ついているし、そんな馬鹿馬鹿しい事を思って、どうにも溜息をつきたくはなる。

で、「お前は関係ないだろ」と松永氏が言っている様子も浮かんで、何だかなと思うわけだが。